磁石の力
磁石について触れていると、「等方性」や「異方性」という言葉を耳にした事はございませんか?
あまり一般的ではない磁力に関するこの用語を、少し噛み砕いて説明致します。
磁石の性質
磁石には、「異方性」「等方性」と呼ばれる性質があり、どちらに分類されるかは、製作方法の違いによって決定されます。
フェライト磁石を例に説明しますと、まず磁石の粉が圧縮され、成型することでマグネットシートが制作されます。
この圧縮成型を行う段階で、一定方向の磁場を与えられながら製作されたのが「異方性」のオーダー印刷マグネットシート。磁場を与えず、成型のみされたものが「等方性」です。
異方性磁石は、特定方向にのみ強く磁化(※分極してマグネットとなること)するので、同じ材質でオーダー製作された等方性よりも磁化の強さは約2倍になり、吸着力は4倍にもなります。一般的に、スピーカーや工業製品の内部部品の一部として制作されることが多いです。
一方、等方性マグネットシートはどの方向にもほぼ同一の磁化の強さを発揮するので、どこにでも着磁することが出来ます。初心者マークや販促看板、ノベルティ、サインなどに使われているのは等方性が殆どです。
磁力の向く方向
- ■片面多極着磁
- 片面にだけN極・S極を設けたタイプです。着磁しない面にはカラーフィルムや格安プリントがオーダー作成されます。
- 一般的に販売されているマグネットシートの大部分がこの着磁方法です。
- ■両面多極着磁
- 表裏それぞれにN極とS極のある着磁面を製作した両面吸着タイプです。
- 「在室中」などの事務用マグネットシートに役立てられます。
- ■両面着磁
- 表面にS極、裏面にN極など面ごとに着磁する方法です。
- センサー感知用の磁石などに使用され、特注品として販売されているマグネットシートにはあまり採用されていません。